楽焼

ここでは少し、「楽焼とは?」 という話をさせていただきます。

楽焼は、茶道のお道具として、桃山時代後期に誕生した焼物です。茶人である、千利休自らが提唱した侘茶の精神を具現化するために、瓦職人である長次郎を指導し楽焼は誕生しました。聚楽第を建造する際に土中から掘り出された土(聚楽土)を使って焼いた「聚楽焼」(じゅらくやき)が始まりとされています。

茶道のお道具として発展してきた、楽焼は、とても精神的な焼き物です。装飾を極力排して、成形と釉薬だけで勝負する。また、一品制作品ということも、とても重要な要素であり、同じものが複数存在することはございません。

お茶の席では、楽焼茶盌は、他の茶盌とは別格の扱いとされ、とても大切なお道具として、扱われて参りました。

黒楽と赤楽がその代表で、一般的な焼物と比べて、焼成時間が短いのが特徴です。

黒楽

名前のとおり、黒い楽焼です。
釉薬の主成分は、賀茂川石もしくは貴船石と呼ばれる、鉄分を多く含んだ天然石です。天然石を粉状に砕き、幾重もお茶盌に塗ることにより、艶や厚みのある、独特の釉性状をえることができるのです。
楽焼は、引き出しと呼ぶ焼成方法で焼成します。黒楽の場合、1200度程度に熱せられた窯に、お茶盌を入れ、約5分間の焼成時間の後、窯から取り出す、楽焼独特の焼成方法です。極力焼成時間を短くすることにより、楽焼独特の柔らかい肌触りを得ることができるのです。
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赤楽

元々は、鉄分を多く含んだ土(赤土)を素焼きし、透明の釉薬をかけて800℃程度で焼成しておりました。現在は、より鮮やかな赤色をえることができるため、黄土と呼ぶ、鉄分濃度の高い土を、塗ることにより、赤色の発色を得ることが一般的です。800℃程度という焼成温度は、今も昔も変わりません。

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